マージンコールについて

国内のFX業者では、レバレッジを利用することで最大で証拠金の25倍まで取引をすることができます。レバレッジの倍率を最大の 25倍にして取引をすると、利益が出れば25倍の利益になりますが、損失が出れば25倍の損失になります。

このため、FX取引業者は、取引の原資である証拠金を大きく上回るような損失が出ないようにマージンコールという仕組みを導入しています。

マージンコールの仕組み

マージンコールとは、取引の原資として預け入れた証拠金の金額が、その時点の含み損（その時点で決済したら確定する損失）を差し引くと、大きくマイナスになった場合に証拠金の追加預入を求める警告です。この警告を出す基準については、各FX取引業者によって異なります。

必要証拠金10万円で10倍のレバレッジをかけて100万円の取引をした場合の事例

購入時点：1ドル＝100円で1万ドルを購入⇒円換算額：100万円

含み損発生時点：1ドル＝95円に下落⇒円換算額：95万円

このように購入時点から為替レートが下落して5万円の含み損が発生した場合、証拠金の残高は5万円となります。証拠金残高の算出方法は以下の通りです。

【証拠金残高5万円＝証拠金10万円－含み損5万円】

このように証拠金残高が減少した場合、証拠金維持率が下がっていきます。含み損が5万円発生して証拠金残高が5万円になった場合、保有しているポジションを決済しないままだと、証拠金維持率は50%になります。証拠金維持率が50%まで下がると、マージンコールを導入しているほとんどのFX会社ではマージンコールが発生することが多いです。

証拠金維持率の算出方法は以下の通りです。

【証拠金維持率50%＝証拠金残高5万円/必要証拠金10万円】

マージンコール発生のタイミング⇒規定の証拠金維持率を下回ったとき

マージンコールを導入しているFX取引業者では、毎日決められた時間の為替レートに基づいて、各取引の証拠金維持率を計算しています。この証拠金維持率が規定の最低維持率を下回ると、マージンコールが発生し、メールで証拠金の減り具合を伝えてくれます。

マージンコールを導入していないFX取引業者も比較的多いです。マージンコールを導入していないFX取引業者では、メールでの連絡などによる警告がなされず、突然に強制決済をされてしまいます。このため、レバレッジを利用してFX取引をする際には注意する必要があります。

マージンコール発生時の適切な対応方法

マージンコールが発生したら、ロスカットの強制執行が近づいているということを意味します。このため、マージンコールが発生したら、下記のどちらかの方法で対応して証拠金を引き上げる必要があります。

• 追加の証拠金を預け入れる
• 保有しているポジションを一部決済して全体の取引額を少なくする

このように、決められた期限までに追加の証拠金を預け入れて証拠金の維持率を規定の維持率まで引き上げるか、保有しているポジションを一部決済して全体の取引額を少なくする必要があります。このような対応をすることで、証拠金の維持率を引き上げることができます。

期限までに証拠金の維持率が規定の維持率まで引き上げられなかった場合は、強制的にロスカットされます。このため、マージンコールが発生したら、期限までに対応する必要があります。

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